2022年06月27日

ビュッヒ・新型スプレードライヤー ~自動運転機能など性能を大幅に向上させて登場~

約40年間にわたりラボスケールのスプレードライヤーの分野で世界のマーケットを牽引してきたビュッヒ(BÜCHI Labortechnik・スイス)が、2022年6月に新型ミニスプレードライヤー S-300の販売を開始します。この新型モデルでは新たに自動運転機能を備え、革新的なシステム設計との融合によって、スプレードライ(噴霧乾燥)において比類のない効率性、再現性そして安全性を実現します。
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ビュッヒのビジネスエリアマネージャーMarco Meuri(以下Meuri)は、「一般的にスプレードライにおける最適化や再現が困難なのは、アクセスできない運転パラメーターが多数あるからです。新型ミニスプレードライヤー S-300なら、これまでにない方法で運転の監視、制御、自動化を行うため、最小限の労力で再現性の良いスプレードライを行う事ができます。噴霧ガスや乾燥ガス、送液ポンプ速度などのすべてのパラメーターは自動的に制御されます。また、出口温度だけでなく捕集容器内の製品温度もモニタリングできるので、熱に敏感な試料もしっかりと保護できます」 と述べています。

ミニスプレードライヤー S-300は、使用者が最も効率的に作業時間を活用できるように配慮した設計を随所に採用しています。新たに採用した独自の自動モードによりスプレードライのワークフローの自動化が可能です。そして運転条件の保存と実行をプログラミングすることができるため、大幅に作業時間を節約できます。また、ひとつの試料を順次処理する“試料キュー”も使用可能であり、各種フォーマットのデータレポートをボタンひとつで簡単に作成できます。 操作の利便性をさらに高めているのが、リモートコントロールオプションの採用です。モバイル機器やコンピューターのアプリからシステムを監視・制御できるため、より柔軟かつ短時間で処理の変更に対応できます。

「ミニスプレードライヤー S-300の開発にあたり最優先したのは、“安全性”と“利便性”の2つでした。引火の危険を伴う有機溶媒系の試料でも、イナートループ S-395と組み合わせれば安全に処理ができます。水系の試料や水と有機溶媒が混在する試料の場合は、除湿装置 S-396を併用すれば再現性の良いスプレードライや安定した連続運転を実現することができます」とMeuriは語ります。

装置本体にはスプレードライの高い再現性を確実にするための革新的な仕組みが備わっています。ガラス製のサイクロンには導電性のコーティングが施され、静電気による試料の付着ロスを最小限に抑えることができます。さらにサイクロンの組付け構造も改良して、分解と洗浄が簡単に行えるようになり、二次汚染のリスクが最小限に抑えられています。また、ステンレス製のスプレーノズルにはルビーが装備され、安定した噴霧と高い再現性を実現しています。

ビュッヒのミニスプレードライヤーは、医薬および化学、食品関連の文献で数多く取り上げられています。これらの既存の研究データが損なわれないよう、従来モデルB-290の全ての結果は新型モデルS-300で再現できるように特別な注意が払われています。したがって、B-290による研究データはS-300で活用できます。

ミニスプレードライヤー S-300は、有効成分をカプセル化する「カプセル化装置 B-390」、極微量の試料からのスプレードライを実現した「ナノスプレードライヤー B-90HP」、コンパクトでパワフルな「凍結乾燥機 LyovaporTM L-200/L-300」とともに、高い効率性および汎用性、再現性が求められるラボスケールの乾燥処理の研究開発に活用いただけます。